租税原則
租税は行政サービスの便益に対する対価であるとする説を利益説という。これは個人主義的な国家観に基づく原則である。代表的な提唱者としてはスミス、リンダールなどが挙げられる。
租税は負担能力に応じて賦課されるべきであるとする説を能力説という。これは集団主義的な国家観に基づく原則である。代表的な提唱者としてはワーグナー、エッジワースなどが挙げられる。
租税に関するスミスの4原則とは、租税負担は応益説によって賦課されるべきである公平の原則、租税は恣意的であってはならず、納税の時期、方法、金額を明らかにすべきである明確性の原則、租税は納税者にとって最適な時期と方法によって徴収すべきある便宜性の原則、租税の徴収費用を少なくするべきである経済性の原則である。

ワーグナーの9原則のうち、財政需要を満たす租税収入を上げることを課税の十分性という。
ワーグナーの9原則のうち、財政需要の変化に応じて租税収入を調整できることを課税の弾力性という。
ワーグナーの9原則のうち、国民経済の発展を阻害しない税源を選択することを正しい税源の選択という。

ワーグナーの9原則のうち、納税者への影響や転嫁を見極めて租税の種類を選択することを正しい税種の選択という。
ワーグナーの9原則のうち、負担が広く国民に配分されることを課税の普遍性という。
ワーグナーの9原則のうち、負担が応能説によって公平に配分されることを課税の公平性という。

ワーグナーの9原則のうち、恣意的ではなく明らかにすることを課税の明確性という。
ワーグナーの9原則のうち、納税手続きは便利であることを課税の便宜性という。
ワーグナーの9原則のうち、徴税費用を少なくするように努力することを最小徴収費への努力という。
日本の租税原則は、公平、中立、簡素である。負担能力が同じならば、同じ税額を支払うべきであることを水平的公平という。
負担能力が高い人ほど高額な税金を支払うべきであることを垂直的公平という。
所得捕捉率が職業によって異なることをクロヨンやトウゴウサンといった言葉で表現することがある。これは水平的公平に反する。
累進課税制度では、生涯所得が同じでも所得の変動が大きい人のほうが、租税額が大きくなる。これは水平的公平に反する。

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